隕石はどこから来る? アステロイドベルトから地球への到達まで

アステロイドベルトのイメージ

宇宙での発生

まず、隕石の元となる天体は宇宙のあらゆる場所に存在する。 小惑星帯や彗星の破片、さらには火星や月の表面が衝突で飛び散ったものなど、さまざまな物質が宇宙空間に漂っている。 これらは何百万年、あるいはもっと長い間、宇宙空間をさまよい続ける

小惑星帯の説明
小惑星帯(隕石の元になる天体が多数存在)

重力や衝突による軌道の変化

宇宙空間に浮かぶ岩石片は、時に他の天体の引力や衝突によって軌道が変わることがある。

特に、木星などの巨大な惑星は強力な引力を持つため、これらの天体の引き寄せにより、地球軌道へと導かれることがある。


地球の重力圏に引き込まれる

地球の近くまで来ると、地球の重力に引き寄せられ、次第に加速しながら地球の大気圏に突入していく

この段階で隕石は「流星」となり、夜空を横切る光として観測される。

しかし、多くの隕石はこの段階で燃え尽きてしまうため、実際に地表までたどり着くものは限られる


大気圏での摩擦と発光現象

地球の大気圏に突入した隕石は、大気との摩擦によって非常に高温になる

この熱で隕石表面の物質が溶け、プラズマ化することで発光する。

これは「流星」や「火球」として観測され、特に大きなものは昼間でも見えることがある。


フュージョンクラストの形成

大気圏突入中、隕石表面は熱で溶け、一時的に液体状になった後、冷えて固まる。 この過程でできる黒っぽいガラス状の層が「フュージョンクラスト」と呼ばれる。

フュージョンクラストがあることで、地球に落下した後でも隕石であることが分かる。


地表への落下

大気圏で燃え尽きず、フュージョンクラストをまとった隕石は、最終的に地表へ到達する

その際、衝撃波や破片が広がることがあるが、地表で爆発することも多く、その痕跡が「隕石クレーター」として残ることもある。

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