NWA 869隕石:歴史と科学的背景、魅力

サハラ砂漠に隕石が落ちるイメージ
名前Northwest Africa 869
発見年2000年
発見場所北西アフリカ
分類普通コンドライト
タイプL3-6
重量約2トン
目撃された落下いいえ
個体数多数
特徴的な要素風化クレーター、衝撃暗化、太陽系起源ガス含有

NWA 869隕石とは

NWA 869(Northwest Africa 869)は、2000年に北西アフリカで発見された普通コンドライトの隕石だ。

この隕石は、宇宙空間で長い冷却過程を経て、衝突の歴史を刻んできた「L3-6」タイプのコンドライトであり、独自の風化模様と色合いが特徴的で、多くの隕石愛好者に支持されている。

科学的な特徴

NWA 869は、普通コンドライトの一種で、L3-6に分類される「レゴリス・ブレッチャ(Regolith Breccia)」という構造を持っている。

これは、隕石が母体天体の表面付近にあった証であり、太陽風や宇宙放射線を長期間浴びてきた痕跡が残っている。 そのため、地球上の他の鉱物には見られない太陽系起源のガスが含まれ、科学的に非常に興味深い。

また、内部にはショックによって暗化した「衝撃暗化」が確認され、L4-6クラスのバリエーションに富む組成が特徴的だ。

発見と市場での流通

NWA 869は2000年、北西アフリカで複数の隕石片が発見され、その後、主にモロッコ市場を通じて世界中に流通している。

市場には数グラムから20キロ以上の巨大な個体まで多様なサイズが出回っており、特に100gから1kg程度の標本がコレクターに人気だ。

多くの隕石は風化によって表面が特徴的な灰緑色に変色し、風や砂による浸食も確認できる。これにより、見た目でも地球上の石とは異なる魅力を持つ。

NWA 869のコレクター向けの魅力

NWA 869は、手頃な価格で入手できることから、初心者から上級コレクターにまで幅広い人気を誇る隕石だ。

風化によるクレーター状の模様や、衝撃による暗化など、宇宙での長い歴史を感じさせる外観が特徴的で、隕石の持つ神秘的な魅力を楽しむには最適な標本といえる。

特に、L3-6タイプのようなバリエーションに富んだ隕石は、同じNWA 869であっても個体ごとに異なる風合いが楽しめるため、コレクターにとってはバリエーションが豊富な収集対象となる。

まとめ

NWA 869隕石は、宇宙から地球に届けられた独自の歴史と風化模様が美しい、魅力的な隕石だ。

科学的にも興味深い成分を含むことから、研究者からも注目されているが、その見た目と価格が手頃であるため、コレクターにとっても一押しのアイテムである。

初心者にも収集しやすいが、個体ごとの違いも多く、まさに「宇宙の奇跡」として長く愛され続ける隕石だろう。

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